法や社会保障で困っているとき 生活で困っているとき

保険証を持ってない人が保険証を作るにはどうしたらいい?今すぐ保険証を手に入れるには

社会保険本人・社会保険扶養・国民健康保険の違い 法や社会保障で困っているとき

 日本では、いかなる人も健康保険に加入する義務があります。これは、無収入(低収入を含む)や無職などの場合も例外ではありません。

 しかし、「手続きが必要であることを知らない場合」や「加入を避けてきている場合」など、様々な理由から無保険となっている人はいます。

今、無保険の状態なんだけど、、、
  • 就職の手続きや身分証明書として、保険証が必要だと言われた
  • 無保険で病院にかかりたくない(医療費の支払いを減らしたい)
  • 無職でも保険証はもらえるの?

 今回は、無収入の人(アルバイトやパートで社会保険がない人を含む)や無職の人はどうすれば保険証を手に入れることができるのか。その場合に罰則やデメリットはないのかを解説いたします。

この記事の結論は、

  • 保険証は、最短で手続きした日に手に入る。遅ければ、1か月程度。
  • 入ることができる保険は、社保(①本人・②扶養)③国民健康保険の3つ。
  • 無保険に罰則はないが、最大3年分の保険料を請求されることもある。

 もし、加入する際の「保険料」を安く済ませるにはどうしたらいいかに悩むようであれば、以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。

1.保険証を手に入れる方法は3つ

 無保険の場合に保険証を手に入れる方法は3つありますが、①→③の順に優先して選択してください。

「①会社の社会保険(本人)」→「②家族の扶養(扶養)」→「③国民健康保険」

保険証を手に入れるための3つの方法
  • 会社に就職
    ①社会保険のある会社に就職をする
    • アルバイトやパートをしており、社会保険がない会社に勤めている場合
    • 就職をする予定はない場合    などは、②へ
  • 家族の扶養
    ②社会保険を持つ家族の扶養になる
    • 社会保険をもっている家族がいない場合
    • 扶養の要件(収入要件・同居要件)を満たせない場合 などは、③へ
  • 国民健康保険
    ③国民健康保険に加入する

     ※無保険の場合、誰でも加入できる保険です

社会保険に加入する方法

 社会保険は、会社に勤めている人とその扶養家族が加入している健康保険です。

①就職をする(社会保険本人)

社会保険本人の特徴

  • 会社に勤めている人がもらえる保険証(※社会保険のない会社もある)
  • 社会保険料は給料から天引きされる
  • アルバイトやパートだともらえない場合がある

 社会保険のある会社に就職し、雇用形態などから社会保険証がもらえる場合は、就職して2週間~1か月でもらえます。また、社会保険に加入する要件を満たしている場合に「抜けたい」「加入したくない」という選択はできません。※要件を満たす仕事に就いたら強制加入です。

 一方で「就職した会社に社会保険がない場合」や「アルバイトやパートだと社会保険がもらえない場合」があります。当然、就職の予定がない人も社会保険の本人になることはできません。

②扶養家族になる(社会保険扶養・家族)

社会保険扶養の特徴

  • 会社に勤めている人の扶養家族がもらえる保険証
  • 保険料はかからない(※家族に追加保険料もかかりませんし、あなたも無料です)
  • 収入が多い場合や同居していない場合に扶養家族と認められない場合がある
    →同居していない場合でも、扶養家族と認めてもらえる場合もあります。

 就職の予定がない場合は、社会保険の扶養に入るか国民健康保険に加入するかの2択から選ぶことができます。しかし、社会保険の扶養は国民健康保険と同等以上の保障があるにもかかわらず、保険料が無料なので国民健康保険よりも優先して選んだ方がいいでしょう。

 扶養家族になるための手続きは、勤めている人の会社で受け付けてもらえますので、ご家族と会社に相談をしてみましょう。こちらも手続きから1か月程度で保険証が手元に届きます

会社に提出しなければならない書類
  • 届出書(会社でもらう書類に記載をしましょう)
  • 収入のわかる資料
  • 住民票や仕送り額などがわかる資料

  ※中小企業にお勤め(保険証が水色:協会けんぽ)の場合は、こちらで確認することもできます。

 扶養の要件に該当するかは、別の記事で紹介していますので参考にしてみてください。

③国民健康保険に加入する

国民健康保険の特徴

  • 市町村(役所)が運営している健康保険(※窓口は役所にあります)
  • 社会保険などを持っていない人が加入する健康保険(※誰でも加入できる)
  • 収入に応じた、保険料の支払いが必要(※無収入でも保険料がかかる)

 ①、②の方法で社会保険に加入することができない場合は、国民健康保険に加入することになります。国民健康保険は、誰でも加入することができるので「必ず保険証が手に入ります」。

 また、保険証は基本的に手続きをした当日もらえます。しかし、役所によっては後日郵送する場合などもあるようですので、保険証がすぐに必要にならば、事前に役所へ確認しておきましょう。

2.国民健康保険に加入する場合の注意すべき3つ

簡単に脱退はできない

 あなたの用事が済んだからといって、国民健康保険を脱退することはできません。

 冒頭でも説明したとおり、いかなる人も何らかの健康保険に加入していなければなりません。そのため、国民健康保険を抜けることができるのは、「他の健康保険に加入した場合」か「その市町村から引っ越した場合」のみです。

無収入でも国民健康保険料を払う必要がある

 国民健康保険に加入している限り、無収入でも国民健康保険料を支払わなけばなりません。
 ※国民健康保険(料)と国民健康保険(税)としている市町村がありますが、どちらも国民健康保険料とします。

 無収入の場合の保険料は、安ければ月1,500円程度です。しかし、国民健康保険料は前の年の収入を基に計算されますので「今」無収入でも、収入が多かった年の翌年の国民健康保険料は高くなります。

【最重要】最大5年分の請求をされることも

国民健康保険の請求は、

  • 国民健康保険(料)の場合は、過去2年分
  • 国民健康保険(税)の場合は、過去3年分

を請求されます。※人口が多い市町村は、国民健康保険(料)であることが多い。

 国民健康保険料は、無保険になった日からさかのぼって加入させられます(※法律上そうなっています)。そして、無保険であった日から今までの保険料を払わなければなりません。

 つまり、10年前から無保険ならば、10年分の保険料。5年前から無保険ならば5年分の保険料を請求されます。

 しかし、法律上「請求の時効」がありますので、(料)なら2年分・(税)なら3年分までとなっており無制限に請求ができないことになっています。※ずっと無収入なら3年分で7~10万円程度。

 国民健康保険の支払いを安くする方法は、別の記事で紹介していますので参考にしてみてください。

3.まとめ

 日本の制度では、無保険の人はいないことになっていますが、前の健康保険が切れたとき、忙しかった場合や切り替えの手続きを知らなかった場合など無保険状態の人は少なからずいます。

 そして、無保険の人は、3つの方法で健康保険を再取得することができ、また、社会保険に入ることができる場合は過去の保険料の支払いも求められることはありません。

 一方で、国民健康保険に加入した場合は、過去の保険料の支払いを求められることもあり、場合によっては5年分請求されることもあります。

 無保険だと、医療費が全額負担になりますのでキチンと健康保険に加入しておきましょう。

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