人生での経験

公務員は楽な仕事?暇な部署にいける人、大変な部署にいかされる人の特徴は決まってる!?

人生での経験

 公務員は、周りの人から決まって「安定していていいね」「公務員!楽な仕事につけてよかったね」などと言われます。確かに部署によっては「こんなに仕事をしなくてもいいのか」「そんなに頭を使わない仕事があるのか」という部署もありましたが、実際のところどうなのかを紹介していきます。

 この記事は、地方公務員経験・国家公務員経験を経験した立場から記しますが、部署が明確に表現しやすい地方公務員(市役所、都道府県)目線で紹介していきます。

公務員と聞くと気になるポイント、、、
  • 給料はいいの?安い?高い?
  • 辛い仕事ってある?楽な仕事ばっかり?
  • 残業や休日出勤ってあるの?定時で帰れる?

 その中でも、仕事が楽か・楽な部署に行くにはどうしたらいいかを解説してきます。

この記事の結論は、以下のとおりです。

  • 楽な部署に行くのは、楽な仕事しか任されない人
  • 楽な部署は「厚生課」「統計課」「生涯学習」「出先(公民館、支所)」
  • 大変な部署は、「政策課」「財政課」「福祉課」「商業課」

 地方公務員の残業実態や給料について気になる方は、以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。

1.公務員の仕事は本当に楽なのか?

 まず、公務員の仕事が楽かについては、部署で決まります。しかし、楽じゃない部署(大変な部署)であっても、ストレスが溜まるだけで、民間と比較しても、ノルマや無理難題を押し付けられることは少ないと断言できます。

 一方で、「やらなくてもいい仕事」だと思っても「やらなければいけない」ことも多いです。簡単に言えば、お役所仕事です。例えば「法律に書いてあるから紙に書かせる」「既に利用申請書や許可証を出しているのに、年に1回提出・決裁させる」といった業務です。この手の仕事は、対象が不特定多数となり数百~数千、数万件に及ぶことも少なくありません。

楽かどうかは部署次第だが、上司や同僚が助けてくれる場合が多い

 公務員の仕事において、民間企業との大きな差は「蹴落とし」がほとんどないことだと思います。民間では、評価や売上げ、顧客数と他者と比較されることが多いですが、公務員はそういった直接的な比較はほとんどありません。

 そのため、先輩や前任者は丁寧に業務の引継ぎやOJTを実施してくれることが多いです。端的に言ってしまえば、他者と比較されていないため、あなたの評価が上がることに不快感を感じる理由がないからです。また、いい意味であなたが失敗したとしても、あなたや先輩等が首になることがないので辛抱強い(悪く言えば、暢気)なのだと思います。

 ですから、部署次第で楽か大変かは左右されるのも事実ですが「公務員の職業柄」、上述のように周りからの手助けが厚いことも間違いありません。

本人の能力で部署の配属が決まるし、配属は人事課が決める

 公務員の配属は民間企業より多岐にわたるため、本来は、適正や能力、経験などから決定されます。しかし、実際の人事異動はそんなに人間味のある検討は行われていません。このほか、人間関係や管理職からの引き抜き・追い出しなど特異な形態もありますが、これらの事情は外向きには明かされません。
 どのように人間味がないかと言うと、人事異動の主な決定は「人事課」が行います。人事課は、何も特別な訓練や教育を受けている職員が担当するのではなく、あなたと同じ採用枠や履歴を持っている職員であなたより「役所内の職員に関する情報が多く入ってくる職員」が担当しています。※〇〇課に行ったことがある、能力が高い・低いなどを知っている。

 ここで一つ質問です。
 あなたが人事担当なら、以下の事態において、どのような人事異動をしますか?

財政課長:うちの課は、仕事が多すぎて回らない。職員を増やしてくれ!
経済部長:新しい制度対応があるのに、新人しかおらず経験値のあるの職員がいない!
生涯学習室長:(仕事がうまくまわっているので、特に何も言ってこない)

 頑張っている職員を何とか育てようと考えてくれる人事課担当ならわかりませんが、限られた人件費(税金)で回さなければなりませんから職員の採用は増やせません。すると、ほとんどの人事課は、生涯学習室で比較的能力のある人材を財政課や経済部へ異動させるでしょう。

 無沙汰は無事の便り…とは違いますが、問題のない部署は物を言いません。一方で、仕事量が多い部署や職員が疲弊しやすい部署の管理職は、人材の要求行ってきます。そのため、意見を言わない部署から意見を言う部署に人材が吸収されていく傾向が強いのです。

 つまり、楽な部署にいても「仕事をする職員」と認知されれば、大変な部署に異動され、大変な部署で「黙って仕事をして、成果をあげることができる職員」は別の大変な部署に異動させられるという構造になるわけです。

苦楽を伴にする、同じ境遇から来た職員たち

 「文句も言わず与えられた仕事をこなしていく職員が大変な部署にいくのか?」ということですが、残念ながらそのとおりです。

 しかし、この異動手法はあなたに限られたものではありません。大変な部署には同じ境遇から来た「文句を言わず仕事を捌くことができる同僚や上司」が配属されています。そのため、職場環境に恵まており、仕事の押し付け合いや足の引っ張り合い、陰口といった仕事における負の側面が少なく、倣い助け合うことができる部署であることも少なくありません。

 「大変な部署」≠「キツくて嫌な職場」ではありません。自分を高めたい、認められたいという人にとっては高めてもらえる千載一遇のチャンスとも言えますし、暇な部署は文句ばかり言って仕事をしない人たちの集まりになりがちとも言えます。

2.暇な部署と大変な部署

 「暇な部署」と「大変な部署」を分けるの決定的なポイントは

  • ルーティーン業務が多いかどうか(多いほど暇)
  • 外部の利害関係者との関わりが多いかどうか(多いほど大変)

 で、決まります。

暇な部署

「厚生課」「統計課」「生涯学習」「出先(公民館、支所)」

 これらの課は「決められた業務の形式に当てはめて、報告やとりまとめをする」ことが多い部署です。厚生課や統計課は、法律や作業要領が決められた方法で淡々と仕事をする部署で、住民との関わりは薄く、自分のペースで仕事ができます。また、生涯学習課は、退職した高齢者の生きがいや地域活動、ボランティアを支援する課ですから非難されることは少ないですし、出先機関は、本庁の指示に基づいて仕事をする側面が大きく、地域の人から比較的感謝されやすく、利害関係や非難で苦しむことは少ないと言えます。

大変な部署

「政策課」「財政課」「福祉課」「商業課」

 大変な部署と言われる部署は、企画をしたり政策を作ったりする部署です。また、役所の中の相互調整をしたり、議員や市民からキツい対応を迫られる部署は精神的に疲弊し、休職する職員が多いです。

 企画や政策を主とする政策課や商業課は、決まった形の仕事が少ないうえ上司や議員の一声でひっくり返ることも少なくありませんから、常々周りに気を使わされます。一方、財政課はルーティーン業務が多いものの首長や他部署との調整、多大な業務量から忙しい部署と言われています。

 また、障害を持った人や生活困窮、役所を嫌っている商業者とコミュニケーションが必要とされる福祉課や商業課はなかなか仕事が前に進まないうえ、明確な成果が得られにくく達成感のなさから空虚感を感じ易い部署だとも言えます。

3.楽な部署に配属されるためにはどうしたらいいのか?

 楽な部署に配属されるためには「使えない人材」「使いにくい人材」だと思われるのが最も効果的です。具体的には、

  • 仕事の内容や進め方に文句をつけ、上司に反発するが代替案などを出せない(愚痴、反抗的)
  • ミスや言い訳が多く、仕事を任せることができない(手がかかる)
  • 物事の根拠や決定の理由がなく、感覚的に仕事を進めている(無責任)

 こんなことを繰り返していたら、民間では真っ先にリストラされそうなものですが、公務員はこれでもクビになることはないと断言できます。もちろん、人事評価や賞与査定に響く場合もありますが、公務員は毎日出勤さえしていれば必ず昇給しますし、退職金ももらえます。実際にそのような職員がいるかは別として、このような制度や環境を悪用して勤め上げることは難しくないでしょう。

4.まとめ(公務員は楽か?就職を人に勧められるか?)

 公務員が楽かという質問に対しては、私は「部署や業務全体を平均すれば、民間と比較して楽」だと答えるでしょう。住民の方が目にしている窓口だけが役所ではなく、見える仕事の何倍も大変な部署があることも事実です。また、窓口や相談の際に相対する職員のほとんどは非正規ですので、いわゆる「安定している公務員」ではありません。

 しかし、ノルマの達成や他人との比較をされるのが苦手な人、認められて同じ志をもつ先輩や上司と一緒に高め合っていきたい人などには特におすすめいたします。

コメント

  1. whoiscall より:

    Thanks.

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