人生での経験 生活で困っているとき

ビジネスで重要な課題の解決力とは?問題に直面したら先送りにせず自分なりのプランを立てる

人生での経験

 会社やお店の経営、人事、営業など…。社会人に求められるのは、問題に直面した時に物事を解決する力です。しかし「解決する」といっても、漠然としていて何をしていいかよくわかりません。

 そもそも、提案した解決策を却下されたり、ろくに話も聞いてもらえずに否定されたりすれば、次回以降、何を改善したらいいのかも分かりません。

仕事で問題に直面したんだけど、、、
  • 問題って、どうやって解決したらいいの?
  • 企画・提案書を書くとき、どんなソリューションにしたらいいかわからない
  • 解決力を伸ばすにはどうしたらいいの?

 私が今まで多くの提案書を読んできて「問題・課題を解決するうえで大切なこと」と「解決力を伸ばすために重要なこと」について解説していきます。

この記事の結論は、以下のとおりです。

  • 解決力とは、課題を発見し、課題を分析することで解決策を作成すること
  • 解決策を選択・評価するのは誰かが重要
  • 解決策の価値は、原因の分析の正確さ説得力でさらに高まる

1.課題をクリアするための課題解決能力とは?

課題と問題の違い

 まず、解決したいのは「課題」なのか「問題」なのかを整理するために、この記事では、意味合いを以下のとおりとします。

  • 課題解決能力(=解決力)…課題を見つけ、課題の原因を分析し、解決策を作成する力
  • 課 題…今後、物事をより良くするため、打破しなければならない障壁
  • 問 題…消極的な支障、失敗
  • 解決策(=ソリューション)…課題を解決する方法
  • 資源(=リソース)…人・モノ・金。解決策を実現するために必要なもの。

 そして、更に課題と問題をはっきり区別させるため具体例を確認しましょう。そして「課題は解決(=方法を考えて、実行する)するもの、「問題は処理・解消(=犯した過ちを元通りにし、正しい成果を納品する)するものであると思ってください。

課題と解決の具体例
  • 会社の利益を増やしたい
    →①売上げを伸ばす:新しい顧客を増やす。顧客の売上げ単価を上げる
    →②経費を減らす:製造費や一般管理費を減らす。RPAやオートメーションを導入する。
問題と処理の具体例
  • 会社のシステムがダウンした
    →システムがダウンした原因を突き止め、システムを復旧させる。
    →システムダウンにより、データが消失していないか調査する
    →消失している場合は復元し、復元できない場合は関係者へ報告・共有する。
  • (その後の課題課題の解決
    →なぜ、ダウンしたのか?どうすればシステムダウンは食い止められたのか?
    →システムがダウンしても、データが消失しない方法はないか?

 このように、課題を発見し、課題を分析することで解決策を作成すること解決力と言います。

課題解決能力とは

課題の発見と課題の分析

 課題の発見によって、解決されるべき課題が生まれるわけです。課題は小さなもの(顧客からのクレーム改善、事務処理の効率化)から大きなもの(資金繰り、次期指名)まで様々なうえ、どのような経過で見つかったかの背景も重要になります。

課題が見つかった背景例
  • 顧客からの指摘による課題
  • 問題・失敗をしたことによって生まれた課題
  • クライアントや上司からの要望による課題
  • 自ら発見した課題(提案書、企画書)

 次に、この課題は何が原因で発生しているのかを分析する必要があります。課題の分析は、課題が見つかった背景や問題意識、原因を追究する作業です。

 新しく直面した課題でならば、課題を漏れなく正確に洗い出す必要があります(※ロジックツリーやMECEによる分析など)。一方で、過去に同じような課題が発生していれば、分析の内容もほぼ同じになりますが、過去に対策済みの原因を除外したり、原因の重みづけが変わったりします。

 そのため、

「過去に検討された経過があるのか」「同業他社で同じような解決策を講じているか」

なども重要な原因分析の一つになります。

価値ある解決策を作成するために重要な3要素

 価値のある解決策というのは「③-1:解決策の効果」「③-2:課題解決の重要性」「③-3:必要な資源」がどれくらいかによって判断されます。

解決策の価値(評価)=(解決策の効果×課題の重要性(方向性))/解決策の資源(コスト)

会社の「売り上げを伸ばす」という課題を解決する場合は、

(大きな効果が期待でき、重要な課題ほど価値がある)
 ・効果とは「ニーズはどの程度あるか」「顧客をどれくらい取り込めるのか」
 ・重要性(方向性)とは「商品の開発か」「商品の改良か」「誰の要望か」

(資源が少ないほど、コストが少ないほど価値がある)
 ・資源は「あるもので足りるのか」「増員が必要か」「設備投資が必要か」

などのことを指します。

2.課題解決の評価とクリエイティブな発想における壁

 課題を解決する策を考え、提案をしてもなかなか認められない場合があります。

課題を解決したと評価するのは誰か

 あなたが課題の解決策を考える立場で、かつ、解決策を選ぶ立場にあることは少ないでしょう。実態は「あなたが作った解決策」を選び採用する立場の人がいることがほとんどだと思います。

 つまり、何らかの課題解決策を提案できても、評価する人が費用対効果が低いと判断しては解決したとは言えません。あなたの案は、どのような機会に誰に提案するでしょうか?

 一方で、解決策の価値が低かったとしてとも、他のあらゆる解決策の中で最も優れた解決策であったなら価値は高い解決策だと言えます。しかし、その事情は、評価する人に伝わっていたでしょうか?

 もし、そうでなかったならば、相手の立場やニーズが何かをもう一度分析すると、同じ解決策でも評価のされかたが劇的に変わることがあるのです。※もし、直長に見る目がない場合は、1つ階級を飛び越えてしまうという手もありますよ…。

解決力とシリアルな「発想力(クリエイティブ力)」

 解決力とは異なる性質をもつ、物事を解決する力に「発想力(創造力、独創力、クリエイティブ力)」があります。具体的には「○○を生み出す」「△△を作り出す」ための力です。

 発想力のある人の創造の実現や夢に対する熱意や人が想像もしないようなものを形にします。この種の解決策は、ドラスティックな改革になり、最大の効果を発揮し、時にはパイオニアと呼ばれることとなります。いわゆる、社長やアーティスト、トップクラスのビジネスマンに求められる力の1種だと思います。

 しかし、評価・採用する側が、安全志向・現状維持バイアスの強い人である場合に嫌煙する傾向にあります。時には他者に意見を求めながら、自分の解決策の価値が低いのかどうかを見極めることも重要です。

3.解決力を高める方法

 前述のとおり、解決策は人に評価・選択されて初めて価値のある解決策と言えます。ここからは、解決力がない人が解決力を身に付け、さらに昇華させていく方法について解説していきます。

自らの意見を備えた解決策

 解決策は、物事を解決する方法であることに加えて、提案時にその理由を付さなければいけません。評価・選択する人(以下、評価者)がからすると、あなたがなぜその解決策を選び、どのような理由で課題が解決されるのかが重要なのです。

解決策には理由を添える

(悪い例)
 ・△△について、○○という課題があります。
 ・○○という課題ですが、前任者から◇◇と引き継ぎましたのでそうしました。

(良い例)
 ・△△について、○○という課題があることから、××の傾向が高いため、□□とします。

 つまり、原因の分析の正確さと解決される理由の説得力が大事になります。過去の経験、勘が正しいことも多いですが、評価者を納得させるのは困難です。また、直長や経験者が評価者の場合はあなたより知見豊富な可能性も高いため、あなたの経験や過去は全く意味を成しません。

step1:過去の事例

 最も簡単な解決策は、過去の事例を参考にすることです。ビジネスにおいて、全くの無策で現状・課題を報告するのは言語道断です。せめて、過去に同様の事例がなかったか、他社はどのような解決策を講じているかは調べましょう。

step2:他者からのアドバイス

 解決策を準備したら、直長への報告の事前に背景のわかる同僚や先輩に解決策を説明しましょう。もし、同僚や先輩に疑問が生じた場合や別の解決策を提案された場合は、解決や比較をしましょう。

 ここで生じた疑問などは、直長からも必ず問われるでしょう。決して誤魔化したり、問題を隠ぺいする説明プロセスの検討をしてはいけません。どうしても分からないときは、直長に相談しましょう。

step3:具体的な根拠

 あなたの職場でニーズ調査や客層などの資料化が随時行われているならば、その資料から読み解ける傾向を導き出しましょう。これに社会動態や同業他社・代替品の台頭、会社の歴史を重ね課題を見極めることで根拠となります。

step4:他の方法との比較(松竹梅)

 最後に、解決策の方針が固まったら3つのパターン(松・竹・梅)にしてみましょう。

松・竹・梅の解決策
  • 1つ目は、資源をたくさん投資して、最高の効果を出すパターン
  • 2つ目は、資源をほとんど投資せず、必要最低限の効果を出すパターン
  • 3つ目は、必要な効果を見極め、それに必要な資源を投資するパターン

 慣れないうちの説明順序は、3→1→2で説明してみましょう。

説得力の高い解決策

上辺の仕事をやめる

 あなたの仕事の本質はなんでしょうか。

 例えば、税金を徴収している人に「私は税金を払いたくありません。何のために税金を払うのですか?」と質問したとき、どのような説明があれば納得できますか?

  • Aさん「いろいろな政策に使われます。詳しくは、私の業務ではないので、知りません。」
  • Bさん「主な使い道は、社会保障制度と経済政策です。」

 目的や理由を知らない人が、仕事をしていても物事の本質はわかりません。税金を払う理由を知らないAさんは、ただひたすらに税金を徴収するでしょう。一方で、Bさんは税金を払わないでもよい方法(社会保障制度を手薄にする、経済政策を軟化させる=支出を減らす)を導き出すことができます。

 表面的ではない仕事の目的を見据え「なぜ変えてはいけないのか?変えられないのか?解決できないのか?」を追求するビジネスマンになることが解決力の向上に繋がります。

資格、免許の取得

 資格、免許(時には、学歴や立場)は、あなたの言葉に重みをもたせることがあります。もちろん、1つの資格を取ることが説得力を持たせることに直結するわけではありませんが、周りがあなたを見る目が変わりますよ。※自らひけらかすと逆効果です。知識を持つ人が話すと、自然と専門性が高くなります。

4.まとめ

 ビジネスで重要な課題の解決力とは、課題を発見し、課題を分析することで解決策を作成することを如何に達成できるかで測ることができます。

 また、高い価値を持つ解決策は、大きな効果をもたらす・投資の少ない解決策だと言えますが、評価者がその解決策を評価・選択をしてくれなければ意味がありません。

 あなたの解決策を評価してもらうには、その評価をする立場にある、あなたではない誰かに説得力ある根拠や本質を理解した提案ができるかで決まるのです。

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