自分の体調に不安がある場合や治療をするために病院にいくことは大事ですが、会社にはばれたくない病気や診療もたくさんあります。特に性に関わる場合や精神疾患(うつ病など)の場合は、自分や家族と向き合っていきたい人も多く、関係のない人にはあまり知られたくありません。
今回は、保険証の使用履歴(病院に行った履歴)は会社にばれるのか、会社にばれずに診療をしてもらう方法はあるのかを解説していきます。
この記事の結論は、以下のとおりです。
- 会社は、あなたがどんな診察・治療を受けたかわからない。
- 会社は、医療費の通知(保険証の使用履歴)を見ることはできない。
- 会社は、あなた保険証から診療履歴を調べる手段がない。
もし、「家族や配偶者」に保険証の使用履歴を見られたくないと思っている場合はこちらの記事で紹介していますので参考にしてみてください。
1.診療した情報を見ることができる人は誰?
病院で保険証を見せるとどうなる?
病院で診察をしてもらったり、治療(薬の処方)をしてもらったりすることを「診療」といいます。
もし、この診療情報が会社(社長や経理など)に見られてしまえば、自分の病気や健康状態(妊娠、性病、精神疾患等)などが会社にばれてしまうと言えます。
この診療情報は、病院から健康保険組合等へ報告されることになるわけですが、診療情報の中身が会社に見られることはありません。
しかし、悪意を持って盗み見ようとする人がいた場合、絶対に診療情報を見ることができないわけではありませんので、その対処法についても解説をしていきたいと思います。
医療費の通知は会社へ報告される
保険証を見せると、あなたが病院での支払う診療費の自己負担が3割になり、残りの7割は、健康保険組合等(保険証を管理する組合など)が肩代わりしてくれます。
病院は、その7割を健康保険組合等から支払ってもらうため、保険証番号や診療の内容など(あなたがどのような診療を受けたか)を健康保険組合等へ報告します。そして、その内容を基に健康保険組合等から会社へ「医療費の通知」が届きます。
※「医療費の通知」は、「医療費のお知らせ」など健康保険組合等によって名称が異なります。
- 保険証を提示保険証情報と診療情報を病院で管理
次回の診療や他の病気にかかったとき、病院が参考にします。
- 病院が報告保険証情報と診療情報を健康保険組合等へ報告
支払われていない診療費の7割部分を請求します。
- 組合等が報告健康保険組合や会社へ医療費の通知が届きます。
会社から、あなたのところへ医療費の通知が届きます。
※医療費の通知とは
医療費の通知は、不正請求(なりすまし、不正利用)のチェックやあなたがどのくらい医療に掛かったかなどを確認するための通知で、1~2か月に1回程度、健康保険組合等から会社を経由して、社会保険の本人に渡されます。
医療費の通知には、誰が・どこの病院で・どのくらいの医療費がかかったかが記載されています。
2.医療費の通知を会社の人は見ることができる?
保険証の使用履歴は「医療費の通知」としいう形になり、職場であなたに渡されることになりますが、あなた以外が見ることができないように封筒や圧着式ハガキなどで送られてきます。そのため、会社の人は医療費の通知の中身を見ることはできません。
会社に見られていないかを確認しておこう
といっても、物理的に医療費の通知を開封するのは簡単ですし、会社の人を経由してあなたのところへ届けられるわけですから、絶対に誰も見ることができないわけではありません。
もし、気になる場合は、届けられた医療費の通知が未開封であるか・差出人が健康保険組合等になっているか・定期的に手元に届けられているかを確認しましょう。※医療費の通知は、会社が作っているものではなく健康保険組合等が作っている通知です。
見られていても情報は限られている
もし、仮に誰かがあなたの医療費の通知を盗み見たとしても、記載してある情報は限られています。
医療費の通知では、あなたの「使用履歴(どこの病院か)」や外来・入院の種別がわかります。しかし、「どのような医療を受けたか」はわかりません。つまり、産婦人科病院に行ったことはわかっても、アフターピルなどの処方を受けたのか、生理不調で通院をしたのかは一見わからないということです。
(参考)医療費のお知らせについて(全国健康保険協:中小企業の場合)
3.会社はあなたの診察履歴を調べることはできない
診療情報は、保険証の番号で管理されているため、保険証の番号を病院や健康保険組合等のデータベースで検索をすれば、どのような診療を受けたのかを調べることはできます。
しかし、診療情報は、法律(健康保険法、国民健康保険法など)で厳しく守られているため、病院や健康保険組合等は絶対に教えてくれません。そのため、会社人が保険証の番号などを知っていても、過去の通院履歴などが漏れることはありません。※会社は診療情報のデータベースに入ることができません。
4.保険証の使用履歴がばれない方法
保険証を使わずに診療を受ける
最後は、保険証を使わずに診療を受ける方法です。この場合、保険証の履歴を健康保険組合などに送る必要がありませんので、身分証明書や病院への支払いさえクリアできれば会社に病気のことがバレる心配はありません。
しかし、保険証を使わないということは、医療費を全額自己負担することになりますので支払いが高額になります。※一般的な風邪の症状を診療してもらうと、処方箋と合わせ1回1万円程度。
また、美容整形や保険適用外の医療を受けるような場合は、そもそも保険証を提出する必要がありません。そのため、自分が受けたい医療が保険適用外の医療においては、前述のような心配は起こらないでしょう。
5.保険証や保険証番号から通院歴がばれることはない
あなたが精神科や産婦人科、心療内科に行ったとしても、会社が保険証の使用履歴を調べることはできません。また、保険証の使用履歴は、医療費の通知として健康保険等から会社へ送られてきますが、封筒や圧着式ハガキで封されているため、悪意で盗み見ようとする人さえいなければ人の目に留まることもありません。仮に、盗み見られていたとしても、医療費の通知に記載された情報は限られています。
保険証は会社から交付されているかと思いますが、管理しているのはあなたの会社ではなく、健康保険組合等の別の組織ですし、診療情報は法律で厳重に保護されているので簡単に漏れる心配もないでしょう。
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